2014年12月6日土曜日

"こだわる"ということ~顔晴る男たち~


FORTUNE宮城編集部 智恵です。
11月21日(金) 平成26年度みやぎ地域づくり団体協議会
登米支部交流会(現地研修会)へ行ってまいりました。

バスに揺られること1時間半。塩竈市にある
【顔晴れ(がんばれ)塩竈】さんに到着。




















恥ずかしながら私、塩竈に来るのは初めてで
前日から楽しみすぎて、まるで修学旅行気分でした。
着いてみるとそこは、少し奥まった所にあり
気付かないで素通りしてしまいそうなほど
こじんまりとした建物でした。
私の想像していたのとは少し・・・いや、だいぶ違いました。
そして今回お話ししていただいた、及川さんですが・・・

真ん中にいるのが及川さん♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これまた私の想像とは少し・・・
いや!!!だいぶかけ離れたコワモテな方。
いい意味で予想を裏切られ、先制パンチをくらった私は
ますますワクワクしてしまいました。
中に入ると・・
 
こんな感じで、大きな釜があります。
そして、なんとも独特なニオイがします。
焦げ臭いともまた違う、不思議なニオイ。
こちらの【顔晴れ塩竈】さんは、昔ながらの製法で
藻塩を作っている会社です。9年前、起業家たちの集まる会議で
「塩竈は塩の聖地でありながら、ご当地の塩がないのはおかしい!!!」
と言われ、サンプルを作り料理屋さんやお菓子屋さんに
配ったところ、好評だったのをきっかけに始まった。
2009年4月10日の火入れは、多くのメディアが報じたという。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
塩竈は昔から塩づくりがさかんで、3000年前の縄文集落が
発掘されたとき、塩を作ったとみられる土器【製塩土器】
発見されたほど。その歴史は神代までさかのぼり
塩土老翁神という神様が現地の人に製塩を教えたとか。
塩土老翁神鹽竈(しおがま)神社にいる神様の一人で
海の神様であると同時に、安産の神様でもあるという。
潮の満ち引きが、生命の誕生に関係があるのではないか
というところかららしい。
鹽竈神社では毎年7月4日~6日【藻塩焼神事】を行い
それは奈良時代の塩づくりを伝える貴重な神事として
宮城県無形民俗文化財に指定されています。



























ちなみに、この藻塩焼神事で使われている≪神釜ですが
日本三奇の一つで、様々な伝説があるようです。
中の海水は、どんな日照りの時でも枯れることがなく
また大雨や台風でも水が溢れることはない。
そして、この神釜の中に入っている海水は
大異変の前触れとして、必ず色が変わるといいます。
あの東日本大震災のときも、色が変わったとか。
まさにミステリーゾーン・・・。
塩竈と塩。ここまで深い関係があったとは知らなかった。
そして、水と同じくらい塩も生きていく上で
必要不可欠だということを初めて知った。

『昔は塩とお金が同じ価値だった。』

この言葉にも納得できる。

 



煮詰めた塩をすくいあげる作業を体験させてもらいました。
シャリシャリでシャーベットみたいだった。

手間ひま惜しまず作るこちらの塩はなんと1㌔4600円以上!



特大サイズの塩の結晶!!




















贅沢に、ゆで卵につけていただきました。





















素人の私でもわかるくらい、おいしさが違います。
しお辛くないといいますか、まろやかといいますか・・・。
うまく言葉で表現できないのが悔しい・・・。

こちらの顔晴れ塩竈さん、震災・津波の被害にあいました。
津波が去り、及川さんがようやく店を見に行くと
店の中には神棚と釜しか残っていなかったそうです。
しかし及川さんは
「神様が神棚と釜と残してくれた!!」
そう思ったそうです。
津波は、神棚のわずか1センチ下でピタリと止まっていました。
「やめるわけにいかない!!」そう思わずにはいられなかったようです。

























「このスタイルじゃなくても塩はできるんですよね?
津波の被害もあったのに、やめようと思ったことないんですか?」

私のこの質問に及川さんは「ありません!!」
間髪入れずに、そうおっしゃいました。
震災後いろいろなところから、塩を作る機械や物資の支援が
あったそうですが、すべて断ったそうです。

「このやり方じゃなきゃ意味がないんです!」

「神棚と釜を残してくれた神様に怒られます!」

心底かっこいいと思った。
「~にこだわって」とかよく聞くけど、こんなにも強い
≪こだわり≫を感じたのは初めてだった。




















こういう機会がなければ、一生知ることはなかったでしょう。
藻塩にこめられた、職人の情熱と心意気を。
たかが塩。されど塩!!
帰りに、小さな袋に入ったこちらの塩をもらった。
大事に食べようと思う。
できれば高級なステーキとかに使いたい。無理だけど。
及川さんの話し方は独特で、私はだいぶ引き込まれてしまった。
また今度遊びに行きたい。
できれば真夏の汗だくの作業風景を見たいと思った。




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