登米市迫(はさま)町森地区にある「はさま自然村」の田んぼで、親子観察会が開催された。
参加の家族はほとんどが非農家。
1歳のお子さんを抱えるお母さんからは、「子どもが田んぼを見る度に『入る、入る』というけど入らせてあげられなかったので、嬉しいです」という声が。田んぼが広がる登米市だけれど、住民が農家ばかりとも限らない。
そして、農業も大規模集約化がすすみ、大人が機械で整備するので、子どもが田んぼに入る機会も少なくなっている。
低農薬、無農薬にこだわりを持っ て作付けをしている田んぼなので、生きものも沢山。
遠慮なくドカドカ入る子供たちにヒヤヒヤだったが、稲はけっこう強く、少々傾いてもまた起き上がるそうだ。
座学では、南三陸町ネイチャーセンター友の会の協力も得て、紙しばいでわかりやすく田んぼと生きもの関係を教えてもらった。
人は昔、水を求めて川の側に住み着いた。そこは、川の氾濫で被害にあうこともおおかったけれど、そこに湿地帯ができ、生きものも多く住み着くようになったそうだ。人はその地に田んぼをつくり、米を収穫する。湿地帯にいた生きものも、田んぼに移り住み。生きものにとっても、人にとっても利をもたらすのが「田んぼ」だそうだ。
手づくり紙芝居に子どもだけでなく、大人もつい見入ってしまった。 |
『田んぼを見る度に入るって言い出したらどうしよう』と心配するお母さんを尻目に、したり顔 |
ゾロソロ歩く親子。スタッフからは、「森地区でこんな風景初めてみたかも知れない」という言葉が漏れた。車社会の現代では、こうした風景も少なくなっている。 |
ザリガニを手でつかまえてご満悦 |
カエルを見る度、興奮! |
小学校では「バケツ稲」といって、子供たちそれぞれが、稲を育てる 授業もあり、この企画の中心人物である千葉伸一さんも講師として小学校で「バケツ稲」を教えている。しかし、それでは田んぼの感触がわからない。子供たちに田んぼに入って、直接田んぼを知って欲しい、という思いを持っていた。
田んぼだけではない。シロツメクサで冠づくり、運転手ごっこ、田んぼの周りにあるもので思い思いに楽しんでいた。
そのうち本当に運転するようになるかな? |
カエルにザリガニ、チョウチョにメダカ、カブトエビ、どじょう……。虫かごや水槽に入れた生きものたちはまた帰ってもらう。
田んぼのあとはトマトハウスでトマトのもぎ食べをして、子ども用プールで水遊びを兼ねてすっきりしたあとは、「イセヒカリ」「ひとめぼれ」「つやひめ」お米の食べ比べ。
無農薬なので、採りたてをすぐ食べても大丈夫 |
お米の食べ比べも。「お米によって全然味が違う」と会場からも驚きの声が! |
心配していた天候にも恵まれ、それぞれに楽しめる一日になった。
今回の企画には、FORAATUNE宮城も入って一緒にすすめさせてもらった。一般参加者の「楽しかった」「またやってください」という声も嬉しかったが、若いスタッフが楽しみ、また開催したいと言ってくれたのは更に嬉しいものだった。
稲や野菜がスーパーに並んでいる状態だけでなく。畑や田んぼで四季折々の姿をみせている。そんなことを伝えるイベントを再び開催したい、と熱く語るスタッフ。また、楽しいことがはじまりそうだ。
by 河崎清美