FORTUNE宮城編集部 智恵です。
11月8日(土)に南三陸まなびの里『いりやど』さんで行われた
南三陸町の林業・木材の可能性~人口減少に負けない復興~
の、パネルディスカッションを見学してきました。
意外と言ったら失礼かもしれませんが、会場に入ってみると
若い人が多かった印象を受けました。
今回お話しいただいたパネリストの方は
●(株)佐久の佐藤太一さん
●丸平木材(株)の小野寺邦夫さん
●南三陸復興ダコの会の阿部忠義さん
●コーディネーターの川廷昌弘さん
こちらの4名です。
まず私が思った素朴な疑問。。。
南三陸町って海のイメージないですか?
今回のフォーラムのテーマもですが、みなさんの口から
『南三陸を森から語る』というワードを何度か聞きました。
聞くところによると、南三陸は分水嶺に囲まれた町で杉の適地だそう。
海のイメージが強くありますが、南三陸の77%は森林なんです!!
【山と里と海とが川で繋がり、連環する町】
代々林業を営み、自分で12代目だという佐藤さんが
そうおっしゃいました。
この言葉ステキ♪気に入ってます♪
もっとお気に入りはこれ!!
『南三陸町 町民憲章』
海のように広い心で
魚のようにいきいき泳ごう
山のように豊かな愛で
繭のようにみんなを包もう
空のように澄んだ瞳で
川のように命をつなごう
大きな自然の手のひらに
抱かれている町 南三陸
う~んステキ♪地元愛を感じます。
【南三陸杉】というブランドで農林水産大臣賞をもらったのが
2011年3月1日。そのたった10日後に東日本大震災が発生。
あまりに多くのものを失い、悲しみに暮れる小野寺さんに
当時の佐久の代表(佐藤さんのお父さん)にこう言われたそうです。
「会社もなにもダメになったけど、森は大丈夫だから!」
「えっ!?」っと、この発言には驚いたけど「あぁ~・・・たしかに」
と、変に納得しちゃったそうです(笑)
今では、他のものにはない≪杉の良さとはなにか≫を追及し
南三陸だけでなく、全国の杉にこだわる!!と意気込んでいました。
私も知らなかった杉の意外な魅力。。。
みなさんにもぜひ知ってもらいたい!!
■光合成を行うことにより、二酸化炭素を吸収し酸素を放出することを繰り返す
■空気清浄効果
■軽くて強い
■調湿作用・殺菌作用
■免疫効果を高める
■杉の香りにはリラックス効果・安眠効果がある
■赤身材は水に強く、不朽性あり
■家に使うと、夏は涼しく冬はあったかい
(杉は常に呼吸し、夏は湿気を吸収・冬は乾燥を外へ出してくれる)
などなど・・・杉ってとっても魅力的じゃないですか!!
ほんとこの仕事を始めて、色んな事を知ることができ
嬉しい反面、いかに自分が無知か思い知らされます。
最後にお話しいただいた阿部さんは
復興ダコの会以外にも、廃校になった中学校をリノベーションした
【Yes工房】の代表、そして入谷公民館の館長さんでもあります。
とてもユニークな方で、ダジャレ好き。笑
Yes工房の由来も『廃校工房』→『はい工房』→『Yes工房』
うん。ダジャレですね。決して嫌いじゃないです♪
そんな阿部さんもまた、震災で多くの物をなくした方の1人。
子どもの頃から物作りが好きで、夢だったモノづくり工房を
完成させ、夢が実現した2011年2月。
そのわずか1ヵ月後に震災が発生し、阿部さんの夢の工房は
津波によってめちゃくちゃに破壊されてしまいました。
計り知れないほど多くの物を失った阿部さんが
また立ち上がることができたのは、避難所での生活で
助け合って生きることの大切さを学び、多くの支援を受け
信頼できる仲間が、大きな力になったからだと言います。
『シャレでも言わなきゃ、やってられないって!!』
そう語る阿部さん。
阿部さんのダジャレは、そんな気持ちからきてるのかな?
そう思うと、少し悲しくなりました。
オクトパス君をはじめ、5を書く定規(合格定規)、オクトパシ(箸)
スレートde合格(ストレートで合格)などなど、まさに
シャレのきいたグッズを色々作ってらっしゃいます♪
≪笑いで社会を明るく元気にする新ビジネス≫
↳☆創シャレ・ビジネス☆
それが、阿部さんのモットーのようです。
会場は終始、笑いの絶えないなごやかな雰囲気でした。
今回会場にいらした若い世代の方たちも、私と同じように
というか私の何倍も、考えさせられるところがあったでしょう。
「復興と木材」 こちらに参加するまでは
いまいちピンとこなかったこの2つの言葉。
でも3人のお話を聞いて、たくさんの可能性を感じることができました。
なにより、あの震災から立ち上がり【町のため】【復興のため】
情熱を燃やす方たちの心意気に私も胸が熱くなりました。
震災がもたらしたものは、全部が全部悪い物ばかりじゃない!!
あらためてそう思いました。